選考を終えて(7月)
今月は三編しか入選作が選べないというのに、秀作がたくさん寄せられました。これまでで一、二を争うレベルの高さでしょう。そこで、編集部と相談の上、佳作を五編出すことにしました。どうぞお楽しみください。
「落陽」は、夏がいっぱい。思い切り夏を描いた素直な作品です。季節の風物を羅列しただけでなく、よく整理されています。日常的で小さな情景と対照的に雄大な題名がいい。
「蝉時雨」は、生をめぐる考察に終始します。最後までよく書き抜いてくれました。蝉と人間の垣根さえ超えたものに寄せ、作者が最後に付した歌も印象的です。
「暴動」は、じりじりとした焦燥感と怒りを夏に重ねています。強いエネルギーを持った作品です。爆発の手前で止めたことで、より力が増しました。異彩を放っています。
「告白」は、いったいこの話はどこに向かっているのだろう、と思いながら読み進め、予想外のところへ連れていかれました。これまた夏らしい物語に違いありません。
「たとえ世界が溶けたとしても」は、真っ白な窓とソーダ味のアイスの青さに感服。哀しい夏ですね。私なら最後の一文は削るかな。いや、でもこれは私の小説じゃない。

宮崎 亮太さん 19歳(予備校生)

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